mitra clip 経皮的僧帽弁接合不全修復術

1)僧帽弁閉鎖不全症とは?

僧帽弁は心臓の左心室と左心房の間にある弁で、この弁の閉まりが不十分なため左心房に血液が逆流する病気が、僧帽弁閉鎖不全症です(図1)。軽度であれば薬物療法で経過観察が可能ですが、重症になると息切れ・倦怠感・入院が必要となる心不全を発症するため、これまでは外科的手術(僧帽弁形成術や置換術)が根本的な治療として行われてきました。しかし、心臓の機能が悪くなっていたり、他の病気を持っている、または高齢者の場合、手術の危険性が高くなるため手術が出来ない、あるいは積極的にお勧めできない患者さんがいらっしゃいました。このたび2018年4月よりMitraClipシステムを用いた経カテーテル僧帽弁クリップ術による僧帽弁閉鎖不全症の治療が日本で可能となりました。当院は、北陸地域において初の認定施設となり、2018年9月より治療を行っています(2019年5月現在、北陸地域において唯一の施行施設)。



2)MitraClipを用いた経カテーテル僧帽弁クリップ術の実際

僧帽弁は前尖と後尖の2枚の弁葉からなっており、この前尖と後尖をクリップでつなぎ合わせることにより逆流を少なくする治療です(図2)。

実際の治療は、食道に挿入した経食道心エコーの画像を見ながら行うため、全身麻酔下での治療となります。足の付け根の静脈からカテーテルを挿入し、右心房から左心房に穿刺を行い、左心房内に8mm径のガイドカテーテルを挿入します。先端にクリップを装着したクリップデリバリーシステムをガイドカテーテルの中から挿入し、経食道心エコー画像やレントゲン画像を見ながら僧帽弁の逆流部位に向けクリップを操作します。クリップが良い位置に来たらクリップで僧帽弁の前尖・後尖をつまみ、クリップを閉じることで逆流を減らします。逆流が十分に減らない場合は、何度でもクリップのつまみ直しが可能であり、また1個のクリップでは不十分と判断される場合は、2~3個のクリップを追加することも出来ます。クリップを僧帽弁に留置後、足の付け根を止血し治療が終了となります。開胸や心臓を止めて人工心肺を使わないため、通常は3-4日で退院することが可能です(図3)。



3)MitraClipを用いた経カテーテル僧帽弁クリップ術の適応

経カテーテル僧帽弁クリップ術は、外科的手術の危険性が高い、あるいは不可能と判断された場合に適応となります。
具体的には、高齢者(だいたい80歳以上)、以前心臓手術を受けられている、心臓の機能が低下している、悪性腫瘍を併発している、日常生活の質が落ちている(杖歩行や軽度認知症など)があげられます。さらに、この治療はクリップで僧帽弁を閉じる治療であるため、僧帽弁の形態によってはMitraClipを用いた治療が困難な患者さんもいらっしゃいます。
適応につきましては、循環器内科に5日程度入院していただき、全身状態の評価、経食道心エコーによる僧帽弁の形態評価などを行い、カテーテル治療専門医・エコー専門医・心不全専門医・心臓血管外科専門医・麻酔科医などからなるハートチームで検討して、適応の有無を評価します。
経カテーテル僧帽弁クリップ術についてご相談・ご質問がありましたら、かかりつけの先生と相談の上、当院第二内科までご連絡ください。



3)MitraClip 治療動画











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